2010/07/23

林道班<春学期のまとめ>

林道班の古沢です。

林道班は7月29、30日にMITとのWSでの一つのプログラムとして中学生との英語キャンプを企画しています。
春学期も終わったので節目として、プロジェクトの紹介をします。

1. プロジェクトの概要

 近年田根地区における里山は、豊かな自然と歴史的文化財を有していながら、木材需要の急激な低下による里山の放置・荒廃、それにともなう集落への獣害の問題という全国的な問題に同じく悩まされている。

 私達林道班は田根盆地を取り囲む山と人間との関係が、かつての「里山」としての人間と自然のバランスのとれた関係のように共存していくために、新しい持続可能な関係性を提案する。林業や、生活資源としての山の役とは別に、観光的視点など地域の新たなポテンシャルとしての山を再発見する。具体的には、山歩きや伝統的な山遊びの継承を通じて「遊び」としての山の楽しみ方を見つけるために、子供を対象としたワークショップを行う。また、ワークショップを通じて、地域が山をどう管理・運営していくのかという全体のシステム自体についても考察し、提案する。



2. 何をしてきたか(4,5,6,7月)


【5月】

第一回目フィールドワーク調査

谷口~歴史ルート~須賀谷下山

ルートを4つに分類し、シークエンスをまとめ

【6月】

五先賢の館~歴史ルート~須賀谷下山

大野さん、植谷さんから、昔の遊びについてヒアリング

【7月】

協議会の事例調査

現在の山での遊びの調査

田根地区地域づくり協議会 英語キャンプ

2010/07/21

植谷邸プロジェクト〈春学期のまとめ〉

植谷邸改修班の宮井です。

植谷邸の改修も、開始してから早いものでもう3ヶ月がたとうとしています。
施工もだいぶ進み、無事MITとのWSの拠点として使用できる状態に近づいてきました。
大学の春学期も終了し、節目ということで、まとめの意味も含めて植谷邸改修プロジェクトについての紹介をします。


1. プロジェクトの概要


■概要

私達は田根地区の谷口という集落に立地する、古民家の改修を行っている。
小林研究会が田根地区での研究活動拠点を探していた際に、現在長浜に在住する植谷さんから谷口に所有する空き家を提供していただいた。
この植谷邸は数年程前から使用されていないが、家主が整理や手入れのため度々訪れ、家具や長年置かれているモノはほぼそのままの状態であった。
植谷さんの良心的な計らいにより、それらも含め全てを利用した改修をおこなうことが可能となった。

■目的

私達はこの古民家を「慶應の小林研究会とMIT の研究拠点」且つ「地域活性の促進拠点」として使用することを目的とし、改修をすすめる。
その改修・設計の過程におき「谷口杉のブランディング」「地域との連携、地域と学生の関係性構築」を行うことを念頭におく。
活動をすすめる上で、学生自身の施工や管理への積極的な参加、古民家に内包されるモノや歴史といった財産の享受、活用を重視している。また、あらゆるプロセスにおいて地域住民を巻き込み、様々な主体間の交流が増すようなアクションをおこし、結果的に活力をうみだすきっかけとなることを目指す。


2. 何をしてきたか(4,5,6,7月)

このプロジェクトは長期的展望をもちながら、フェーズごとに、低資金ですすめていく。施工は内藤工務店に依頼しながら、共同ですすめている。既に3月には土間部分の解体を終えている。
今年度前半は、7月末の慶應・MIT ワークショップを目指し、主に土間部分と勝手口の改修、建具や壁の補修、畳の張り替えなどを行った。

【5月】
■植谷邸の掃除(1階・2階)
■実測・図面作成(トイレ・フロ周り・周辺敷地)
■バイオトイレ・電気設備調査開始
■全体改修案のたたき台を検討

【6月】
■モノアーカイブ(1階・2階)
■植谷さん・内藤さんに改修プランの説明
■谷口の川掃除
■提案作成(戸口・トイレ・机)
■全体改修案ver.1決定
■実測(厠・建具・デティール)
■全体改修案ver.2決定
■内藤さんへの見積もり依頼
■畳上げ
■どっぽ村見学
■土間空間のスタディー (オス案・メス案)
■図面作成 (開口部・ベンチ設置部・厠・しょしょなぎ)
■開口建具案検討

【7月】
■内藤さん・建具、電気屋さんと 施工部確認
■掃除(1階家具内モノの分別・移動)
■天井の埃払い・床水ぶき・掃除機がけ
■施工開始
■開口建具案決定
■電気工事・ネット設備工事
■すす払い
■畳入れ



 



3. 今後、何をしていくか/課題

■すすめ方について

第一フェーズの目的であった【一時的滞在】から、第二フェーズの目的である【長期滞在】ができる古民家へと改修をおこなっていく。その後【定住】【住み継ぎ】ができる古民家へと改修をおこなっていく。
その際に管理・運営をどのようにおこなっていくかを検討する必要がある。
また、長期的展望をもったビジョンをたて、長期的計画と半期での短期的計画を作成する。
ハードのデザインをすすめると共に、それらを最大限に生かしながら地域に活力を与えるようなプログラムを提案し、実践していく。地域との関わり方・情報発信のやり方を考えることが重要である。

■具体的改修について

・家具のデザイン(谷口杉の見せ方/使い方も考慮する)
・2階の掃除・モノ選別・分別したゴミの焼却
・モノのレイアウト・使用案/企画出し
・厠の改修
・生活用水排水・シャワールーム排水の検討
・元フロ・カマドの使用法
・冬のこし方/対策案



植谷邸についてちょっとでも気になった方はぜひ足を運んで見に来てください。
息をひそめていた古民家の魅力がどんどん息をふきかえしてます。

2010/07/20

モデルハウス班の平賀・野口です。
ブログにて活動を紹介するのは初めてです。


今期は、5月半ばから班が結成され活動してきました。
以下から紹介になります。

1. プロジェクト概要
近年田根地区においても、若年層人口の流出に伴う問題が出てきています。一方で、わずかに残存している若年層が同じ敷地内に伝統的木造住宅とは別のハウスメーカーによる現代住宅を建て、暮らすという現象が見受けられます。

今回田根地区において、伝統的木造住宅の住環境の改善点発見と新たな住宅モデルの提案を行うことで、都市部から地域内に若年層を再び呼び戻し、次世代へと継承していく自立した地域確立への指標を示す契機となると考えられます。

2. 何をしてきたか
今学期は、以下の内容について研究を行いました。

・具体的な対象者の設定
・都市部から地方への移住条件の整理
・住居設計における重視項目の抽出
・宮島邸モデルハウスの検証


今学期の成果の一部です。
・宮島邸トレース



・移住意識調査(データ引用)
財団法人 広域関東圏産業活性化センター, 「地方都市への定住促進に関する調査」, 平成21年より



3. 今後何をしていくか
今後は、若年層に向けたより良いモデルハウスの提案を目指し、以下の内容を進めていきます。

・既存の伝統的木造住宅と現代住宅との比較調査
・建築設計において必要となる要素の抽出と提案によるモデル化
・設計提案の検証

最終的には、モデルハウスの設計に繋がる為の調査・提案を行っていきます。

2010/07/13

10年春学期 小林研究会最終発表


現在、7月13日18時、小林研究会の春学期の最終発表会が行われています!春学期の田根地区での様々な活動のまとめと、夏休み以降のヴィジョンや計画を発表/議論しています。


今学期は主に4つのプロジェクトが動きました。
・植谷邸改修プロジェクト
・林道利用プロジェクト
・桜番場プロジェクト
・木材流通プロジェクト

各々のプロジェクトの細かい内容は後ほど、ブログで報告したいと思います。

今年も、夏のMITとのワークショップを田根で行う予定です。
田根の関係者の皆様、ご理解ご協力のほど、宜しくお願い致します。

2010/07/11

初めての植谷邸

こんにちは。もう7月ですね。


植谷邸改修班の名川です。

私たちは7月4,5日に夜行バスで田根に行ってきました。

わたしにとっては初めての植谷邸でした。

本当に気持ち良い場所でした!



1日目は工事をしてくださる方々との話し合いと、蔵と家具の整理。

午前中、建具についてと電気について、詳細を決めました。

その後は工事の時に邪魔にならないように蔵に荷物を運ぶため、まずは蔵を少しかたづけました。蔵には食器がたくさん!MIT、中学生、地域の方、慶應生、何人きても大丈夫そうです。

家具には昔の薬や本、衣類、書類、食器など、本当にたくさんのものが詰まっていました。中には林道班や地域交流班に参考になりそうなものもたくさんありました。参考になるといいですね。

帰り際に植谷さんの話を聞きました。本当に色々なこと、たくさんのことを知っていてお話を聞くのが本当に楽しかったです。




2日目は整理の続きをしてから天井のすす払いと床磨き。自分の家ではやらないので、水ぶきなんて小学校以来の体験でした。この地域では節目節目にこうやって家全体を掃除していたそうです。

1日中河西さんも手伝ってくださり、早く終わらせることができました。

雑巾で水ぶきをするだけでこんなにも変わるものなんですね。本当にびっくりです。柿渋を塗るのが楽しみで仕方ありません!

お昼御飯は河西さんの奥さんがそうめんを茹でてくださり、磨いた床の上で植谷さん、河西さんと一緒にご飯を食べました。ご飯はおいしいし、景色はきれいだし、気持ち良いし、都会にはないゆったりした時間が流れているようでした。


午後は床磨きを終わらせ、休憩がてら縁側で植谷さんや河西さんのお話をたくさん聞かせて頂きました。作業の時間と休憩の時間が同じくらいだったかもしれませんね。でも話を聞くのはとてもわくわくするし、今後植谷邸をどうしていくか、地域の人が何を望んでいるのかほんのわずかですがわかったような気がしました。



次の訪問が楽しみです★