2010/07/21

植谷邸プロジェクト〈春学期のまとめ〉

植谷邸改修班の宮井です。

植谷邸の改修も、開始してから早いものでもう3ヶ月がたとうとしています。
施工もだいぶ進み、無事MITとのWSの拠点として使用できる状態に近づいてきました。
大学の春学期も終了し、節目ということで、まとめの意味も含めて植谷邸改修プロジェクトについての紹介をします。


1. プロジェクトの概要


■概要

私達は田根地区の谷口という集落に立地する、古民家の改修を行っている。
小林研究会が田根地区での研究活動拠点を探していた際に、現在長浜に在住する植谷さんから谷口に所有する空き家を提供していただいた。
この植谷邸は数年程前から使用されていないが、家主が整理や手入れのため度々訪れ、家具や長年置かれているモノはほぼそのままの状態であった。
植谷さんの良心的な計らいにより、それらも含め全てを利用した改修をおこなうことが可能となった。

■目的

私達はこの古民家を「慶應の小林研究会とMIT の研究拠点」且つ「地域活性の促進拠点」として使用することを目的とし、改修をすすめる。
その改修・設計の過程におき「谷口杉のブランディング」「地域との連携、地域と学生の関係性構築」を行うことを念頭におく。
活動をすすめる上で、学生自身の施工や管理への積極的な参加、古民家に内包されるモノや歴史といった財産の享受、活用を重視している。また、あらゆるプロセスにおいて地域住民を巻き込み、様々な主体間の交流が増すようなアクションをおこし、結果的に活力をうみだすきっかけとなることを目指す。


2. 何をしてきたか(4,5,6,7月)

このプロジェクトは長期的展望をもちながら、フェーズごとに、低資金ですすめていく。施工は内藤工務店に依頼しながら、共同ですすめている。既に3月には土間部分の解体を終えている。
今年度前半は、7月末の慶應・MIT ワークショップを目指し、主に土間部分と勝手口の改修、建具や壁の補修、畳の張り替えなどを行った。

【5月】
■植谷邸の掃除(1階・2階)
■実測・図面作成(トイレ・フロ周り・周辺敷地)
■バイオトイレ・電気設備調査開始
■全体改修案のたたき台を検討

【6月】
■モノアーカイブ(1階・2階)
■植谷さん・内藤さんに改修プランの説明
■谷口の川掃除
■提案作成(戸口・トイレ・机)
■全体改修案ver.1決定
■実測(厠・建具・デティール)
■全体改修案ver.2決定
■内藤さんへの見積もり依頼
■畳上げ
■どっぽ村見学
■土間空間のスタディー (オス案・メス案)
■図面作成 (開口部・ベンチ設置部・厠・しょしょなぎ)
■開口建具案検討

【7月】
■内藤さん・建具、電気屋さんと 施工部確認
■掃除(1階家具内モノの分別・移動)
■天井の埃払い・床水ぶき・掃除機がけ
■施工開始
■開口建具案決定
■電気工事・ネット設備工事
■すす払い
■畳入れ



 



3. 今後、何をしていくか/課題

■すすめ方について

第一フェーズの目的であった【一時的滞在】から、第二フェーズの目的である【長期滞在】ができる古民家へと改修をおこなっていく。その後【定住】【住み継ぎ】ができる古民家へと改修をおこなっていく。
その際に管理・運営をどのようにおこなっていくかを検討する必要がある。
また、長期的展望をもったビジョンをたて、長期的計画と半期での短期的計画を作成する。
ハードのデザインをすすめると共に、それらを最大限に生かしながら地域に活力を与えるようなプログラムを提案し、実践していく。地域との関わり方・情報発信のやり方を考えることが重要である。

■具体的改修について

・家具のデザイン(谷口杉の見せ方/使い方も考慮する)
・2階の掃除・モノ選別・分別したゴミの焼却
・モノのレイアウト・使用案/企画出し
・厠の改修
・生活用水排水・シャワールーム排水の検討
・元フロ・カマドの使用法
・冬のこし方/対策案



植谷邸についてちょっとでも気になった方はぜひ足を運んで見に来てください。
息をひそめていた古民家の魅力がどんどん息をふきかえしてます。

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